レッチェ中央駅から歩くこと20分「南イタリアのフィレンツェ」と聞いてきた街らしからぬ、やや殺伐とした雰囲気に気落ちしかけていたところ、旧市街に到着、バロック建築の教会が目白押し、時間を忘れました。壁面装飾の「レリーフ、細やかなしわ、手のこんだ構図」は類がありません。これらの装飾を実現させる物質的条件は地元の石切り場からとれる石材の性質にあるそうです。「密で均一な粒をもった泥炭質の石灰岩、たいへん柔らかく、のみや斧、かんなで簡単に細工できる、水を含むとスポンジのようにやわらかくなる。天気や湿気によって微妙に色が変化するレッチェ石は完成すると、時とともに温かな黄金色を帯びるようになる。」と紹介文にありますが、実際、目の当たりにしてみて納得しました。壁面装飾ではフィレンツェに

勝るとも劣らない。



サンタ・クローチェ教会(驚異の壁面装飾)


サンタ・クローチェ教会内(豪華絢爛)数々の礼拝堂

西暦2世紀、古代ローマ帝国、皇帝ハドリアアヌスの時代に劇場・円形闘技場・ハドリアヌスの港ができました。ローマ帝国滅亡後は他の南イタリアの諸都市と同様の歴史が展開しました。、東ローマ帝国→ノルマン朝→スペイン王家の支配・・という流れです。16世紀、スペイン支配下時代、海からのオスマン・トルコ軍来襲に備えて新しく城壁と城が築かれました。旧市街の町並みはこの時代のものです。サンタ・クローチェ聖堂の建設が始まったのも16世紀でした。ブリンディシにあった2本のローマ円柱の1つがありますが修理中で残念。円柱の上には町の守護聖人サン・トロンツォの像があります。ブリンディシはローマとアッピア街道で、レッチェはブリンディシとトラヤヌス街道で結ばれていました。

サンタ・クローチェ聖堂:「レッチェ=バロックの至高の体現」と形容されて全国に知られている。動物の姿をした2層の円柱を備えたファサードにはびっしりと彫刻が施されている。内部の円柱には入念な装飾が咲き誇り、左右に並ぶ各祭壇の飾りは豪華絢爛 教会名になった「聖なる十字架」「聖遺物の礼拝堂」があります。 ガブリエレ・リッカルディのデザイン ジュゼッペ・ジンバロのらが作成 木製の天井には金の縁が嵌め込まれている彫刻群の神秘的な美しさは過剰なほど、上から動物や果物が落ちてきそうな迫力で迫ってきます。

サンティレーネ(聖イレーネ)教会:17世紀半ばに完成1591-1639 設計フランチェスコ・グリマルディ ファザードの楽しい装飾:聖イレーネ像と「狼と樫の木」を見に  来る訪問者もいます 1860年 共和国制導入の国民投票が行われた、レッチェの歴史上重要な所でもあります。

ドゥオーモ:1659-1670 ジュゼッペ・ジンバロの装飾 5段式70mの鐘楼が隣接 左の建物の中に神学校(ジュゼッペ・ピーノ設計)があり、バロック様式の井戸があります。 


サンティレーネ教会・ドゥオーモ・神学校内井戸(バッロク様式)


サンマッテオ教会


ローマの円柱(修復中2019) ローマ劇場